棟の高さは“家の格”だった?__瓦屋根と棟の雑学あれこれ
- 2025年06月11日
- ニュース&トピックス
突然ですが…家の屋根の“てっぺん”って、じっくり見たことありますか?
実はその一番高い部分、「棟(むね)」には、ただ雨風をしのぐだけじゃない、昔ながらの知恵と美しさ、そして家の“格”までも表す面白い意味があるんです。
そしてもうひとつ、屋根の主役とも言える「瓦(かわら)」も、日本建築の歴史とともに歩んできた、意外と奥が深い存在。
今回は、普段あまり語られない「瓦屋根の雑学」と「棟の高さの意味」を、楽しく・わかりやすくお届けします!
◆「棟」ってなに?──屋根の一番高い“背骨”です
屋根のてっぺん、つまり左右の屋根の傾斜がぶつかる部分を「棟(むね)」と呼びます。地面からこの棟までの高さを「棟高(むねだか)」といい、建物の“背の高さ”とも言える大事な部分。
この棟がどのくらい高いかによって、家の印象、内部の快適性、そして屋根の構造までもが変わってくるんです。
◆昔は棟の高さ=家の格だった!?
今でこそデザインや建築構造の一部とされている棟ですが、江戸時代やそれ以前には「棟の高さ」は家の格式を示すバロメーターでした。
たとえば...
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武士の家やお寺・神社 ⇒ 棟が高くて堂々とした作り
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町人や農家の家 ⇒ 棟が低めで控えめな印象
棟の高さを見れば、「この家、偉い人が住んでるのかな?」とわかったわけですね。
ちなみに、姫路城の天守閣の棟高は約31メートル。まさに“見上げる格”です。
◇ミニ雑学:棟にも❝七五三❞がある⁉
屋根のてっぺん「棟」に積まれる瓦の段数は、7段・5段・3段など奇数が基本。
昔から奇数は縁起がいいとされ、屋根にもその想いが込められているんです。
◆瓦屋根にとって棟は超重要ポイント!
瓦屋根といえば、ズラッと並んだ瓦が特徴的。でも、実は一番重要なのは“棟部分”なんです!
なぜなら、瓦屋根の仕上げは棟に集まるから。屋根のてっぺんで、左右の瓦をまとめ上げるのが「棟瓦(むねがわら)」です。
さらに、棟瓦を積み上げるときには「のし瓦」や「冠瓦(かんむりがわら)」などが使われ、その隙間を漆喰で埋めて固定します。これがいわゆる「棟漆喰」。
▶ 棟が高いとどうなる?
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積む瓦の数が増える
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漆喰の使用量も増える
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重量が増えて構造的にしっかりした作りが必要
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高さがあるぶん、補修作業も手間がかかる!
つまり、見た目以上に「構造」「素材」「施工技術」が詰まった場所なんです。
◇ミニ知識:シンプルな「冠1本伏せ」という仕上げ方も!
一方で、より簡素で実用的な仕上げ方法として「冠1本伏せ」という施工法もあります。
これは「のし瓦」を使わず、冠瓦を一枚だけ伏せて棟を仕上げるというもので、昔の農家や平屋、倉庫など、シンプルな屋根構造の建物で多く見られました。
見た目はスッキリしており、瓦の使用量や漆喰の量も抑えられるため、コストを抑えたい建物や軽量化を重視する場面で今でも選ばれることがあります。
◆瓦って何種類あるの?
瓦と一口に言っても、実はたくさん種類があります!
● 和瓦(日本瓦)
昔ながらのS字型で、重厚感と風格が特徴。とくに黒・銀色の「いぶし瓦」は、雨に濡れると深みが出て、より洗練された印象に。
● 平板瓦
現代の住宅に多く使われるフラットな瓦。スッキリとした印象で、モダンな家にもぴったり。
● 洋瓦(S瓦など)
スペインや南仏を思わせるカーブの強い瓦。明るいオレンジ色で、南欧風の外観によく合います。
◆瓦は意外とエコな素材!
瓦は土と火でできた天然素材。実は、断熱性・防音性に優れていて、熱をため込まず外へ逃がす性質があるんです。
さらに、耐用年数も50年以上が当たり前!
最近では「一度葺いたら一生モノ」として、環境面でも評価されることが増えています。
◆瓦と漆喰と、棟の関係
さきほどの「棟漆喰」、これが屋根の劣化チェックでは要注意ポイント。
棟の部分は、
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瓦の重み
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雨風・地震による揺れ
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太陽による熱劣化
など、あらゆる外的ストレスが集中します。
漆喰が剥がれてしまうと、瓦がズレたり、雨水が侵入したり、放置すれば雨漏りの原因にも…。
「最近、屋根のてっぺんがなんか崩れて見えるな〜」というとき、それは棟漆喰の劣化サインかもしれません!
◆まとめ:瓦屋根と棟は“日本建築の美学”そのもの!
見た目の重厚感、実用性、そして長持ちする自然素材——。瓦屋根は、ただの建材じゃなく、日本人が受け継いできた「家の美意識」の結晶です。
その仕上げを任された“棟”の高さや造り方にも、建てる人・住む人の想いがこもっています。
屋根のてっぺん、見上げてみると、意外と深い世界が広がってるんですよ。
☑「屋根が気になる…」という方へ
「棟の漆喰、大丈夫かな?」「うちの瓦、ズレてない?」など、ちょっとした違和感があれば、早めの点検がおすすめです!
瓦屋根の劣化サインや必要な補修工事についての記事もありますので是非ご覧ください
『 瓦屋根に雨漏りのリスク?見逃しがちな「漆喰」と「棟」の劣化に注意! 』
さいたま市密着で、瓦屋根の点検・漆喰補修など多数の実績があります。
気になる方はお気軽に、サイワ塗装までご相談ください!

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